清水健太郎著『釣りバカ解体新書 みんなが知らない釣りとビジネスの意外な関係 人生100年時代のライフワーク』2020年5月1日、釣り人社、223頁1,650円

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その81

清水健太郎著『釣りバカ解体新書 みんなが知らない釣りとビジネスの意外な関係 人生100年時代のライフワーク』2020年5月1日、釣り人社、223頁1,650円

管理人の趣味は釣りなので、釣り関係の本も読みます。少しは皆様のお役に立てればと思い、紹介しておきます。

釣りは接待には難しいが、タイ釣りだけは別という話は、笑えますね。

著者略歴

「1969年東京生まれ。フライフッシヤー兼コンサルタント。親父に連れられ幼少より釣りをして育つ。フライフィッシングをライフワークとし.その傍らで事業開発とコンサルティングを本業として嗜み楽しむ。源流域の沢の美しさや虹鱒の力強さに魅了され三.分の一の週末を自然の中で過ごす。P’wCコンサルティング,IBMビジネスコンサルティングを経て株式会社:SIGMAX YZディレクター。ホームグラウンドは道東、南アルプス、港区のオフィス。キャンプ、焚火.燻製、音楽活勣、けん玉.などにのめり込みベッドに辿り着けない日も多数。一女の父親。本書が初の著書。」(奥付より)

いつものように、幾つか抜粋しておきます。

「余談ですが釣りが向かないものがあります。それは「接待」です。ゴルフであれば少々筋の悪いボールが飛んでも、「ナイスショット」と言えますし、パターがどうにも片手な人が相手の接待であれば「オッケイです!」なんて言って最後のパターを免除したりといろいろとやりようがありますが、釣りは魚が釣れないことには、「ナイスフィッシュ」とか「フィッシュオン」などとは言えないですし、誰が上司だとかどっちが接待される側なのかなど魚にはわかりませんので、接待している側や部下ばかりが釣れてお相手の社長さんだけが釣れないなんてこともザラです。そうしたフラットな上も下もない世界であるから釣りは面白いのですけどね。こうした演じることが難しい点も釣りの特徴です。

 ちなみに、黒笹さん曰く、タイ(鯛)釣りだけは接待で使えるらしいです。なんでも人問様のに上下関係をタイだけは読んで、必ず役職の高い人から順に良型のタイが竿にかかるのだとか。本当かどうかはさておき、なんともメデタイ魚だなあと思うわけです。」(第3章 ライフワークシフト~不確実な時代の楽しみ方~、85頁)

「〇 人生100年時代、好きじゃないと続かない

 そもそも仕事一つで一生さらりと終えられるほど甘くはない時代。好きでもないことは そうは長く続かない。ましてや仕事以外特にないなんて。自分が而自いと感じることを持っていないと長い人生おっかない。

〇 表層的なことはSiriやアレクサで

 広く浅く一般的なことはインターネットですぐに検索。Siriやアレクサに「教えて」と尋ねればハイ終わり。既視感や評論からは何も生まれず、相当に深いことがヒトには求められる。何かに特化し自らの体験による一次情報(自分で直接体験して于に入れた情報)を得ることが必須。一次情報とは体を張つた情報。自分のテーマを持ち自ら休験・経験することなくして一次情報は得られない。深く探求するテーマがない限り、ヒトが活躍できる場も得られる楽しみも限定される。

〇 HOWだけならAIやマシンで十分

 技術進化は目覚ましく、県純労働はもとより知的労働すらもマシンが代替していく時代。 「HOW」はマシンが助けてくれるし処理の優秀さを競えばAI(人工知能)に軍配あり。 ならばAIやマシンが代替できない、WHΛT(何をしたいのか)やWHY(なぜしたいのか)を持った方がいい。妄想して何かを企てることは人間だけができる特別なこと。

〇 「したい」がないと企てられない

 ならばと何かを企てるにしても、今の時代モノは溢れ食うに困らず衣食住は満たされて いる。人々が求めることはモノではなく自分の心を満たしてくれるコト。全ての産業が、 「気持ち良さを生み出すコト」に取り組む時代、自分の「したい」がないと、企てそのものができない。「私は○○スキルがあります」などと出来ることを並べても、やりたいコトがなければ何の企ての足しにもならない。」((第3章 ライフワークシフト~不確実な時代の楽しみ方~、92~93頁)

「〇 道東オホーツクは日に17時間も釣りができるトラウトバム天国

 ニュージーランドの北島に酷似した自然を有するこの地は北緯が高いため6月をピークに日が長く、朝は3時から夜は8時まで明るい。やる気さえあれば17時間も釣りができるトラウトバム(マス釣りバカ)のための場所。オホーツク紋別には私か長年足繁く通うフライフィッシャーが集まる宿『ペンションLOOP』があります。

〇 十勝平野は飛行機でのアクセスの良いトラウトバム天国

 大動脈である十勝川から無数の支流が毛細血管のごとく走る十勝平野は平町全体が釣り天国。力強いニジマスの他にも、様々なマス類が迎えてくれます。最寄りの帯広空港は飛行機の便数も多く、東京からの場合、土曜日朝一の飛行機で8時迦ぎには現地に入れ9時から釣りが可能、日曜日の夕方まで釣りをして温泉に寄って最終便で羽田に戻れば丸2日存分に釣りが楽しめる。まさにトラウトバム天国です。

〇 日本の山は太古の神秘が封印されたフライフィッシング天国

(源流部でイワナを釣る)

 日本は美しい山々を有し数万の河川が流れています。標高の高い厳しい自然を生き抜く、冷水性の高いマスがイワナ(岩魚)です。九州、四国を除き、日本の本州、北海道(先述のアメマス、オショロコマも)の山の源流域を中心に太占より生息しています。かつては北海道と同様、海と川を行き来した歴史もあるのかもしれませんが、本州では陸封型と言って海に戻らず淡水の中で生涯を終えるマスがほとんどです。太古より源流部を安住の地とし、ダムや砂防堰堤が多く作られた現代では物理的に下流に降りられない。まさに「封印」された山の神。イワナが群れる川へは人間が源流域まで出向く必要があります。しかし、さほど難しいことでもありません。日本の山には登山道が多く整備されていますので比較的容易にアクセスが可能です。イワナは非常に男性的で荒々しく野性昧があります。岩陰に潜み、大型になるとカエルやノネズミをも呑み込むとも言われますが、流石に見たことはありません。泳ぎはさほど俊敏ではなく、釣り人からは餌の捕食が下手な「どんくさい魚」とも認知されています。

 南アルプスの場合、麓の駐車場に車を停めれば、あとは乗合バスで山の上までアクセスできます。標高2000m級の源流部はイワナの天国。厳しい冬を力強く生き抜く野生の宝石のようなヤマトイワナに会えます。」(第6章 釣りをしよう~釣り人の幸せ~、206~207頁)

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