錯覚の権力者たちー狙われた農協―

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その33

チンパンジー

稲田宗一郎著『錯覚の権力者たちー狙われた農協―』2021年7月、遊行社、1,100円

読み始めたら止まらない。先の農協法改正で農協監査制度と中央会制度が廃止されるに至った政治家、官僚、全国連、県中会長の議論の舞台裏が、フィクションとして書かれている。フィクションとは言うものの、また人名が変えられてはいるものの、当時の名前を想定できることから、真実味が増す。ノンフィクションとの境目が限りなく小さい小説である。

一般書店では販売していません。稲田さんのホームページからお申し込みください。

稲田氏の略歴は、次の通り。

「千葉県生まれ。小説『タ焼け雲』が2015年内田康夫ミステリー大賞及び小説『したたかな奴』が第15回湯河原文学賞に入選し、小説家としての活動を始める。2016年ルーラル小説『撤退田圃』、2017年ポリティカル小説『したたかな奴』を月刊『農業協同組合経営実務』に連載。小説『浮島のオアシス』、『A Stairway to a Dream』,『優しさの行方』、『防人の詩』他多数発表。2020年から稲田宗一郎公式HP(https:www.inadasoichiro.com/)で「林に棲む」のエッセイを開始する。」

チンパンジーはいつも気になった箇所を抜粋して紹介しているが、今回ばかりは全ての部分が気になったので抜粋することはできませんでした。目次だけ抜粋しておきます。

「プロローグ-2001年秋-
JAバンク法-2001年秋-
仕込まれた改革-2001年秋-
十年後
改革のシナリオ
USTR
懐柔-2013年初夏-
開戦-2014年5月-
自民党PT合同会議
農水省・全中の攻防
根回し
筒抜け
自民党インナー会議
全中VS総理
全中廃止のシナリオ
宣戦布告
小さな亀裂
全中孤立
最後の攻防
出来レース
分裂
決着
全農の抵抗
西埜会長辞任
エピローグ-2016年12月」

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