河本薫著「会社を変える分析の力」2013年7月20日、講談社現代新書2218、235頁、990円

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その140

河本薫著「会社を変える分析の力」2013年7月20日、講談社現代新書2218、235頁、990円

データ・サイエンティスト・オブ・ザ・イヤー受賞の見出しに、ほだされて読みました。データは、戦略の実行に貢献しないといけないというメッセージでした。

次の誘い文句に、思わず本に手が伸びました。
「こんな人にこそ読んでいただきたい。
●がんばって統計分析を勉強したのに、分析力が向上した実感はない。
●自分は数学が苦手なので、データ分析には不向きと思う。
●データや分析結果は豊富にあるのに、役に立たない。
●データベースや分析システムを導入したのに、経営に分析力を活かせない。
●「ビッグデータ」や「ビジネスインテリジェンス」といった言葉に翻弄されている。
●統計分析など分析手法だけの教育カリキュラムに物足りなさを感じている。
読むと、「分析」に対する見方が確実に変わる。
第1章データ分析に関する勘違い
第2章データ分析でビジネスを変える力
第3章分析力を向上させるための流儀
第4章分析プロフェッショナルへの道」(カバー帯より)

著者の略歴は、次の通りです。
「河本薫(かわもとかおる)
一九六六年、神戸生まれ。京都大学工学部数理工学科卒業。同大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了。一九九一年。大阪ガス入社。九八年から二年間、米国ローレンスバークレー国立研究所にてエネルギー消費データ分析に従事。大阪ガス株式会社情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長を経て、2018年4月より滋賀大学データサイエンス学部教授。大阪大学招聘教授を兼務。近著に、『最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか』(日経BP社)。」(表紙カバーより)

一カ所抜粋しておきます。
「これまでに、多くの企業は、ビッグデータには至らない中小規模のデータ(リトルデータ)から貴重な分析結果を得てきました。そして、企業の中には、手つかずのリトルデータはまだまだ眠っています。業務システムに保存されているデータの多くは、分析されたこともない宝の山です。しかし多くの企業ではビッグデータへの関心が高まる反面、リトルデータヘの関心が薄らいでいるように思えます。ソーシャルメディアの莫大なデータを分析する前に、社内の営業データは十分に分析できているか自問してみましょう。秒単位のデータを分析する前に、日次データは十分に分析できているか自問してみましょう。」(第1章 データ分析に関する勘違い、62頁)

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