朝比奈秋著『サンショウウオの四十九日』2024年7月10日、新潮社、141頁、1,870円

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その142
朝比奈秋著『サンショウウオの四十九日』2024年7月10日、新潮社、141頁、1,870円
最近の芥川受賞作は、今一つの感じがするのは私だけだろうか。
結合双生児の姉妹の、生と死についての奇妙なつぶやきが頭に残る。
ちょ社の略歴は、次の通り。
「朝比奈秋(あさひな・あき)
1981年京都府生まれ。医師として勤務しながら小説を執筆し、2021年、「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞しデビュー。 2023年、『植物少女』で第36回三島由紀夫賞を受賞。同年、『あなたの燃える左手で』で第51回泉鏡花文学賞と第45回野間文芸新人賞を受賞。本作が第171回芥川龍之介賞候補となる。他の作品に「私の盲端」「受け手のいない祈り」など。」(奥付より)
帯に掲げられた紹介文を引用しておきます。
「伯父が亡くなった。誕生後の身体の成長が遅く心配された伯父。その身体の中にはもう一人の胎児が育っていた。それが自分たち姉妹の父。体格も性格も正反対の二人だったが、お互いに心を通い合わせながら生きてきた。その片方が亡くなったという。そこで姉妹は考えた。自分たちの片方が死んだら、もう一方はどうなるのだろう。なにしろ、自分たちは同じ身体を生きているのだから」(帯より)