インフェルノ(The INFERNO)

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その6
まるでコロナを予想したかのようなSF小説

今日のパンデミックであるコロナ禍を予想したかのようなSF小説。2013年にアメリカ合衆国において出版された、ダン・ブラウン著作の長編推理小説。著者のダン・ブラウンは、ダビンチコードを書いた作家と言えば通りが早いかな。
敵(?)の天才遺伝子工学者のゾブリストが開発した病原菌は、ウィルス・ヴェクターと呼ばれる遺伝子の突然変異を無作為に発生させるもので、感染者の三人に一人を不妊にするもの。このウィルスによって結果的に地球の人口爆発が抑制されることになるのだが。
作中には、WHOの事務局長が重要人物として登場する。背景は、イタリアはフィレンツェを中心とする宮殿や美術館であるから、読んでいて観光案内にもなる。パンデミックの恐怖と抑制を中心に速いテンポで物語が進む。
現在のコロナ禍を考えるのに、注目の本。単行本(上下)と文庫本(上中下)が発売されている。