『JA突破力の男-貯保を動かす』書評第3弾掲載される!

萬代氏 写真

JA経営実務 2021年5月号の「ブックレビュー」に「JAイノベーション・リーダー列伝-萬代宣雄 JA突破力の男-貯保を動かす」(新世紀JA研究会メール会 刊)について山海野玄(さんかいのげん)氏の書評が掲載されました。

新世紀JA研究会を立ち上げ、その活動の中で「貯保」を動かした萬代宣雄とはどんな男か。サブタイトルにある「貯保」とは、公的な貯金保険制度の略語。破綻未然防止のためにJAバンクが独自に備えているシステムとセットで、JAバンクのセーフティーネットを形成している。

客観情勢の変化を説き、両者の掛け金負担の引き下げや凍結を実現させだ怪腕は、萬代の果断で周到な「突破力」を象徴する。その淵源を探るべく、多数の質間項目を用意して萬代に臨んだという本書の意気込みが誡者を惹きつける。萬代には、それだけの魅力がある。

1942年に島根県出雲市の稲作農家の長男に生まれた萬代は、働き手の祖父が急逝し、病弱の父に代わって16歳で一家の大黒柱に。基本法農政がスタートする19歳には、養豚の共同経営に乗り出す。爾米、萬代は自立農業を突破口に、自動車整備会社や生コン製造会社、旅行代理店、寝具・ギフト用晶販売会社、杜会福祉法人の保育園や特別養護老人ホームなど地域社会のニーズに応える「萬代グループ」を展開してきた。

萬代はまた32歳で市議会議員になり7期28年の任期中に議長などを歴任、還暦を迎えて一息つく間もなく、今度はJA青年組織以来のキャリアを買われ、JAいずも組合長に。さらにはJA島根中央会長、JA全農副会長、JAしまね組合長とJA運動に挺身する。この間には、島根県の一県ーJAを実現した。

骨惜しみしない萬代の「気ぜわしさ」が仏わってくるが、「出雲の怪人」と称される萬代を休みなく突き動かしてきたのは、地域杜会やJAに寄せる「一寸坂なし」の「本仕」の精神である。覇権を求めず、信義を貫く一途な男の追力が圧巻だ。新世紀JA研究会の15年に及ぶ足どりもよくわかる。

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