西川豊著『EX-CFOを活用せよ!-売上限界感の突破法!』2022年8月8日、三恵社、1,705円

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その70

西川豊著『EX-CFOを活用せよ!-売上限界感の突破法!』2022年8月8日、三恵社、1,705円
「!」マークが付いているこの手の本で、良かったと思った本にはなかなか巡り合えません。
この本もそうでした。「EX-CFO」という横文字と、「売上限界感の突破法」という文字面に惹かれて購入しましたが、もったいないことをしました。他人事ながら、診断士と社労士の評判が落ちるのではないかと心配になります。
著者の略歴は、次の通り。
「監修:株式会社西河マネジメントセンター
2022年に西河豊が設立。業務:経営に関するコンサルティング業務・財務に関するコンサルティング業務・企業研修に加え、各種の経営関係ソフトも販売している。
氏名:西河豊 1959年京都府生まれ。西河経営・労務管理事務所、ものづくり補助金情報中心(センター)代表
資格:中小企業診|折士、社会保険労務士、経営革新支援認定機関。1984年4月~2000年2月金融機関勤務、20000年独立開業、2016~2017年大山崎町商工会会長
執筆:「補助金獲得へのロードマップ」「助成金獲得へのロードマップ」2019年、「非接触ビジネス推進と事業再構築」「事業再構築の教科書」2021年」(奥付より)
EX―CFOとは、著者によれば次の通り、外部のCFO支援を指すらしい。それがどうしたと思うのは、チンパンジーだけかなぁ。
「そこで提唱するのがEXICFOです。EXは広い意味では「特別な」という意味になりますが、狭義には「外部の」ということです。この「外部」という意図は、
・冷静な目で会社を見られる
・社長統制下の影響力を薄めることできる
というメリットがあります。しかし、経営コンサルタントとは一線を画します。外部であるメリットの発展形として外部である意義としてビッグデータの活用までを想定しています。」(第1部CFOのフレームワーク、P19)
唯一、その通りだと思ったところはここです。
「外部取締役ですが、これも現状において、うまく機能していません。元伊藤忠商事代表の丹羽宇一郎氏は「会社がなくなる!」の中で、上場企業でさえまったく機能してない、こんな制度やめてしまえと嘆いています。これは、まったくその通りで、通常、社長のお友達というコネクションで任命され、そのような経緯で就いた人は役員会であまり過激な意見を言わないことが、空気を読むことにイコールになるわけです。」(第1部CFOのフレームワーク、P24)
後は、普通の用語のお勉強として。
「実抜計画:金融業界で一般的に使われている言葉で、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」の略。再生支援計画で使われます。実現可能性にアクセントがあります。~合実計画:合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画」(第2部CFOのためのレッスン16、P96~97)
ある時、企業の買収のお手伝いをしたときに株式の譲渡(購入)ではなく、事業の全部譲渡(購入)を選択したことがあった。中小企業では、従業員の問題を含め「隠れた瑕疵」がどこにあるか不明だし、法務デューデリをする時間と予算がなかったから。
「事業譲渡では、売り手企業が運営する事業の一部またはすべてが売買対象となります。 具体的には、譲渡対象の事業に属する資産や権利義務が売買されます。あくまで事業を売買するため、すべての事業を売却したとしても、会社の経営権自体は存続します。~全てを包括して買い取り、継承するということは、聞いていなかった試算・負債も継承するということです。聞いていなかった場合は、「瑕疵がある状態」ということになります。これは第三者には、対抗できません。」(第2部CFOのためのレッスン16、P101~102)