「地球温暖化」の不都合な真実

チンパンジー

「チンパンジーの笑顔」雑読雑感 その29

マーク・モラノ(訳者渡辺正)著『「地球温暖化」の不都合な真実』2019年6月、日本評論社、1,980円

大変ショックな本である。しかし、客観的データを幾重にも提示されて初めて考えなそうというくらい、私は温暖化抑制の思想に染まっていたことを告白する。これまで、チンパンジーが雑読し雑感を紹介してきた『命の経済ーパンデミック後、新しい世界が始まるー(アタリ)』、『大転換-市場社会の形成と崩壊-(ポラニー)』、『サピエンス全史-文明の構造と人類の幸福-(ハラリ)』、『人新世の「資本論」』(斎藤幸平)』他は、地球温暖化を抑制するための処方箋を検討してきたのではなかったのか。
SDGs、ESG投資などは膨大なる世界統治の一環だと言うのだろうか。とにかく、今現在の地球温暖化の虚構についての衝撃的な暴露本である。信じるかどうか、これだけのデータを提供されてあなたはどう考えるのだろうか。

著者は、マーク・モラノ(訳者渡辺正)。著者の略歴は次の通り。

「1968年,米国ワシントンDC生まれ。1991年にジョージ・メイソン大学政治学科卒業後、ラジオ・テレビ・ウェブ界のジャーナリストとして活躍。2006-09年、連邦議会上院の環境・公共事業委員会で広報部長。2009年よりブログClimate Depotを運営し,各国の科学者等と協働で温暖化関連情報を発信。2016年に映画「クライメート・ハッスル(温暖化詐欺)」を制作・公開。」(奥付より)

例によって、チンパンジーが注目した箇所を抜粋しておきます。

「CO2濃度がいまの五倍だったころ、気温はいまと同レベル・・・と突き止めた学術論文はいくつもある。2013年の論文によると、いま400ppmのCO2濃度は、人間活動と関係ない12,750年前に、425ppmもあった。」4章 尾が犬を振る?、P58)

「NASA勤務経験のある気象学者トム ワイスミュラーも、「過去1,000年近く、気温とCO2濃度に相関はなかった」と断じ、こう書いている。「西暦1000~1800年の期間、CO2は280ppm前後でほぼ一定だった。かたや気温は小氷期(LIA)に低下したあと、100年ほどかけてリバウンド中なのが現時点。気温の低下も回復も、CO2濃度といっさい関係なかった。・・・過去一万年を見ても、CO2と気温に関係は認められない。CO2が気候を変えると言う人たちは、 空想世界で数字いじりをしているだけ」。」(4章 尾が犬を振る?、P63)

「ギーゲンガックに言わせると、地球は人間の助けなど期待していない。「地球は問題ありません。人類登場のはるか前から、45億年以上もうまくやってきました。人間が地球を救えるなどと、思い上がりもはなはだしい」。」((4章 尾が犬を振る?、P68)

「ゴアは「南極半島は地球全体の平均より4倍も速く温暖化中」と言ったけれど、アリゾナ大学の気候学者ベン・ハーマンがこう反論。「脅威派は南極大陸のうち南極半島だけに目を注ぐ。南極大陸全体の5%しか占めない南極半島は、たしかに気温が少し上がっている。しかし残る95%の気温は、横ばいか低下中なのだ」。」(5章 脳内の危機、P73)

「アレーグルは温暖化騒ぎの本質を「利権」と見抜く。「エコのかけ声が、一部の人間を大儲けさせる。アル・ゴアのノーベル平和賞は政治的喜劇でしかない。・・・彼の映画はウソだらけ。要するに政治の話だ。彼は政界で目立ちたかっただけ」。アレーグルはテレビ取材に応えて言った。「CO2は大気の超微量成分ですが、それはともかく、人間の出すCO2が地球を暖めている証拠は、まったくのゼロなんです」。」(9章 消えゆく「合意」、P124)

「元NASAの科学者、マンチェスター大学の名誉教授レス・ウツドコックは、温暖化説を「各国政府に知恵をつけるプロ集団の非行」とみる。「人為的CO2温暖化論は、科学証拠のない仮説にすぎない。温室効果は水蒸気H2Oのほうがずっと強い。大気中は分子あたりほぼ同じ威力のH2Oが、CO2(0.0%)の数十倍(0.5~4.0%)もある。また、CO2は生命にとってかけがえのない物質だ。私たちの出すCCO2を植物が吸って、地球の緑化を促し、食糧生産を助ける。おとぎ話を環境屋が宗教にしてしまった。数百万年問、地球の気温は上下動をくり返してきた。大気のCO2濃度と関係はなく、むろん人間活動とも関係ない。まっとうな科学者なら、温暖化の脅威など存在しないと言うはず。金儲けしたい連中がこしらえた空想物語にすぎない。」」(9章 消えゆく「合意」、P140)

「気候学者ロイ‘スペンサーが2016年に指摘した。「温暖化にせよ気候変動にせよ、かりに人間活動が原因だとしても、進みはものすごく遅いため、一生のうち誰ひとり気づきもしない。ハリケーンや竜巻、洪水、干ばつも、目に見えて変わるものじゃない。だからこそ、太陽光発電のツケを庶民に回すとか、炭素税を徴収するとか、何か政策を進めたい政治家は、ありふれた気象災害を温暖化の『証拠』にでっち上げるのが絶対なのだ」。」(12章 こ心配なく、P184)

「地質学者ロバート・ギーゲンガックも海水酸性化の話を一笑に付す。「地球史上、大気のCO2がいまの15倍も濃いのに、海中で生命が栄えた時期はあった。生物はビクともしていない。大気CO2が400ppmになったらどうのこうのと彼らは言うが、5,000~6,000ppmの時代もあったのだ。」」(12章 こ心配なく、P201~202)

「英国のフイリップ ストット教授もクラウスに同調し、温暖化論者に警告を発している。「温暖化論は、狛由と選択肢を制限しようという点で、マルクス主義に似た上から目線の政治路線になってしまった」。」(4章 黒い謀略、P225)

「英国では、ゴア『不都合な真実』の教材化をめぐる裁判が起きた。高等法院の賢明な判事が、教

室では「科学面がまちがっている」と断ってから上映せよと裁定。ゴアの映画は「感情論だらけの粗悪品」という趣旨のことが判決文に書いてある。」(17章 子どもをダシに、P258)

「ペンシルベニア大学の地質学者ロバート ギーゲンガソクが断定する。「たとえCO2が気候に効くとしても、政府やEPA、国連の戦略が気候を変える確率はゼロに近い」。」(18章 無駄の押しつけ、P269)

「あばら家にソーラーパネルを敷き詰めても、貧しさからは脱出できない。人類史を少しだけ振り返ろう。化石資源のエネルギーこそが、人類を貧困から解き放した。化石資源の利用を減らそうとする「対策」は、その事実から目をそむけた先進国の暴力だといえよう。」」(19章 緑の蛮行、P277)

「2013年にもラブロックは、過去を振り返りつつこう提言。「私は『グリーン』運動の創始メンバーだが、当初の善意がこれほど誤解・誤用された現状には、心から恥じ入るしかない。再エネ以外の電源を拒否する環境原理主義を始めたつもりはないし、地球と人間のニーズは表裏一体だと気づかない活動家が貴重な生態系を壊すのを予想してもいなかった。うるわしい景観を壊す醜い風車が、イースター島のモアイ像に似た文明崩壊の記念碑とならないよう、私たちはよく注意しなければいけない」。」(19章 緑の蛮行、P284~285)

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